いつものごとく、ネタバレっぽいのでご注意くださいませ。
第三部「危険な恋」の前半(ミレディー編)まで読みました。
第三部、長いんですよ。
いやー、ついにミレディー(ミラディ)登場ですよ。
はっきりいって、ダル物のミレディーとほとんど変わりません。ミレディーの人柄だけじゃなく、エピソードまで丸写しです。
違うのは、リシュリューさんの手下なのではなく、フランスに亡命中のイギリス王妃アンリエットの側近の女性だったってことくらい。
ダルがミレディーの兄と決闘するのも、ミレディーが遺産を狙うあまり兄が亡くなるのを期待したりするのも、ヴァルデ候(ダル物でいうワルド伯爵)に恋してるのも。
ミレディーの侍女もやっぱりケティーのようにダルを慕い、ダルは彼女を利用してミレディーのベッドにもぐりこみ、その後自白して、ミレディーに命を狙われるのも、全部同じ。
…デュマさんパクリすぎですから。
オチとしましては、やはりダル、2ヶ月ほど牢屋にぶち込まれました。(苦笑)
まあ、この辺まではやはりダルは青二才な雰囲気バリバリですね。
女性に振り回されすぎ。
色目も使いすぎ。
妙な自信も持ちすぎ。
当時を振り返って、ダルはこう言っております。
「年とともに世故に長じた今現在、顧りみて当時の僕を想うと、お高くとまって自惚れていたその頃の自分に、われながら呆れるばかりである。なにしろ僕の甘いお世辞にころりと参らぬ女は、一人もないくらいに思い込んでいた。喜んで僕の言葉に耳をかす女が若干はいたので、どの女もみんなそうなるくらいに考えていたわけである。例のミラディとその過酷さの思い出が、僕を謙虚に呼び戻してしかるべきだったのだろうが、その頃はミラディのことなんぞ、むしろ気狂い女としか考えられなくなっていた。」
そう、前回の「初恋」で懲りた時もこれからは自粛しようみたいなことを一応は言うものの、ぜんぜん反省の色が見られないんですよ。
これじゃあ同じことの繰り返しだよなあ…。ダメダメすぎる。(笑)
あ、あと忘れちゃいけない、というか忘れられない注目ポイント。
名づけて「臭いアラミス」。
ダル物でのあの、美しいバラ色ほっぺのアラミス様を思い浮かべると、ありえなさ満載。(笑)
こっちのアラミスは、非常に男らしく、潔いです。(良く言えば)
アラミスファンは、失望なさいませぬようお気をつけてお読みくださいませ。
それを言ったらアトスもこっちでは結構ありえないキャラですけど。
…とにかく愉快な三兄弟ですこと。ホホホ。(笑ってごまかしとこ)