ふぅ~、終わったよ~。(またこんな時間…)
とりあえず肩の荷が下りました。
まだまだやることはたくさん残ってますけど。
相変わらず人名事典も地名ページも中途半端なのには変わりないし。
すっきりしたのは私の頭の中だけか。
今回は長いですよ↓
冬の海(5-14)
みんなは骨までずぶ濡れで、風は氷のように冷たく、さっきからの興奮で、ふつうなら寝るどころのさわぎではないのだが、(略)(5-16)
この描写で初めて気付く彼らの寒さ。(想像力がないもんで…)
チャールズ1世処刑の直後なので、1月末か2月頭ってとこですよ。
しかもその後も吹きさらしの上で一晩過ごしたわけだし。よくみんな無事だったなー。シャティヨン兄弟(5-18~19)
この二人がなんだかごちゃごちゃになりがちです。
なぜなら、二人とも「シャティヨン公」で「コリニー」だから。
とりあえず「コリニー」といえば兄を指すみたいですが、稀に弟を指してることもあり…とにかくややこしい。
ちょっと表にしてみました。
兄:コリニー、シャティヨン公
・7、8年前、ロングヴィル夫人をめぐるいざこざから、ロワイヤル広場で決闘して命を落とした。
弟:シャティヨン公ガスパール・ド・コリニー
・マザラン扮するブリュイ殿の後をくっついて回っていた。
・アラミスが腹立たしく思って決闘を申し込み、動乱の最中、アラミスの弾丸に胸を貫かれる。
・もともと兄のことでアラミスが嫌っていた。
まあ、分かりやすく言えば、最初の時点で死んでるのが兄、作中でアラミスに殺されたのが弟ってとこでしょうか。(身も蓋もない)
5巻での登場人物紹介の文が、すでに混同してるっぽい文章。
シャティヨン公…王軍の司令官。ロングヴィル夫人をめぐるアラミスのかつての恋仇。
これって弟についての説明文…のはずなのですが。ロングヴィル夫人がらみでアラミスの恋仇だったのは兄の方じゃないのかなー。プランシェの法則(5-19)
たまたま見かけた市民たちの中の1人を、あれは立派な軍人だといって褒めそやすような描写が出てくると、それは大抵プランシェ。侵し難いオーラ(5-20)
青年は久しぶりに父親にめぐり会えて、嬉しさのあまり身体がぞくぞくした。馬を飛ばしながらも、青年の左手はアトスの右手をしっかり握りしめていた。
…こんな親子どうですか。(笑)アラミスの頼もしさ(5-24)
…だからアトスが前方をじっと眺めると、アラミスの背中がはっきり見えた。大勢の中にいても、アラミスの剣帯と堂々たる身のこなしは、ひときわ目立っていた。いずれは自分を救い出してくれるだろうという希望が持てたし、長いあいだ親しくつきあってきたので、切っても切れない友情で結ばれているような気がして、視線はおのずからアラミスのうしろ姿に向けられるのであった。
ところが、アラミスのほうでは、アトスが自分のうしろからついて来ることなど、気にもとめていない様子だった。
何か、アトスってホント乙女ですよね。(某さんの言葉を借りると)
アトスの乙女目線から見ると、アラミスがものすごく頼もしく見えます。
ところでアラミスって、一部、二部、三部、全部キャラが違うように感じるのは私だけ?
一部は恋に夢中の可愛らしい青年、二部は血気盛んな可愛げのある軍人、三部はクールビューティー(可愛げなし)ってとこですか。(笑)
どれも結構好きですけどね。(え、いや、ホントですってば!!)アトスがフロンド派を選んだワケ(5-24)
コマンジュとの会話。
「(略)ラ・フェール伯爵ともあろうあなたが、フロンド派で、ブルッセルや、ブランメニルや、ヴィヨルなどの味方をされようとは!いやはや、ご母堂が身分賤しい法官の女房だと思われたら、どうします?あなたがフロンド派だとは!」
「そこですよ、コマンジュさん、マザラン派になるか、フロンド派になるか、どちらかを選ばなくてはならなかったので、この二つの名前を何度も口に出してみたあげく、あとのほうを選んだというわけですよ。ともかく、フランスの名前ですからね。それに、わたしがフロンド派の味方になったのは、ブルッセル氏や、ブランメニル氏や、ヴィヨル氏がいたからではなく、ボーフォール殿や、ブイヨン殿や、エルブフ殿がおられたからなのです。議長や、議員や法官たちに味方したのではなく、王侯たちの下で働こうと決心したのです。(略)」
マザラン派になるかフロンド派になるかってのは結構紙一重ですよね。
コマンジュだって、太后に仕えていたから自動的にマザラン派になっちゃっただけで、マザラン派の人はこういう人が多いですね。だからマザラン派もフロンド派も関係なく、みんな腹の底ではマザランに失脚して欲しいと思ってるってのが。(笑)マザランさん、カワイソー。(棒読み)眠り(5-25)
「きみみたいに一日じゅう寝てばかりいてはいかん。眠りほど頭の働きを鈍くするものはないんだぞ。」(byダルタニャン)
気をつけます…。
まあ、これはダルタニャンがポルトスみたいに眠れないから、半分八つ当たりの格言ですけどね。短っ!(5-27)
今更ですが、今私はダル物をブッキング版で読んでるんですが、この章、2ページしかありませんよ!(嬉しいらしい)消化を待つ(5-27)
デザートになると、ダルタニャンは安楽椅子に腰を下ろし、脚を組みあわせ、満足しきった様子で身体を揺さぶっていた。
食事の後に「満足げに身体を揺さぶる」っていうような表現を何度か見かけるんですが、本当に気持ち良さそうですよね。ポルトスの力(5-27)
「(略)…ぼくはピエールフォンの邸で、ミロンの武勇伝をいろいろ聞いて、自分でもみんなやってみたが、残念ながらこめかみに巻いた縄を切ることだけはできなかった」
「それと言うのも、きみの力は頭以外のところにあるからさ、ポルトス」
「うん、ぼくの力は腕と肩にあるのさ」ポルトスは無邪気に答えた。
どさくさに紛れて、ダルタニャン酷いこと言ってますね(笑)。こういうのがぽろぽろあるからダル物はやめられない。外国なまり(5-28)
ちょっと気になったので、原文を見てみました。
邦訳では、スイス兵が中国なまり(?)なのが笑えます。
「今晩は」ダルタニャンはできるだけ柔らかい、穏やかな口調で話しかけた。
- Bonsoir, camarade, dit d'Artagnan de sa voix la plus charmante et de son diapason le plus modéré.
「こんぱんは」
- Ponsoir, monsir, répondit le soldat.
<Bonsoir>
「散歩にはちと寒すぎるようですな」
- Il ne fait pas trop chaud à se promener, dit d'Artagnan.
「ぶるぶるぶる」
- Brrrrrrroun, fit le soldat.
「どうです、酒でも一杯やりませんか」
- Et je crois qu'un verre de vin ne vous serait pas désagréable?
「しゃけ一杯、賛成ある」
- Un ferre de fin, il serait le bienfenu.
<un verre de vin> <bienvenu>
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「ここにぶどう酒が一本ありますよ」
- J'en ai là une bouteille, dit d'Artagnan.
「ぷどうしゅ?」
- Une pouteille!
<bouteille>
「そうです」
- Oui.
「ぷどうしゅ一本みなあるか?」
- Une pouteille bleine?
<bouteille pleine>
「一本みなあるよ。わたしの健康を祝ってくれるなら、あなたにそっくり差し上げよう」
- Tout entière, et elle est à vous si vous voulez la boire à ma santé.
↑これはとくに訛ってないけど、邦訳はあえてあの表現なんですね。
「わたし、喜んで飲むある」兵隊はいそいそと近づいて来た。
- Ehé! moi fouloir pien, dit le soldat en s'approchant.
<Hé! Je veux bien ←きっきさんmerci!>
「じゃ、取りにおいでなさい」
- Allons, venez la prendre, mon ami, dit le Gascon.
「ありかとう。ここにペンチあるね」
- Pien folontiers. Ché grois qu'il y a un panc.
<Bien volontiers><Je crois> <banc>
「ほほう、ベンチがあるとは好都合。さあさあ、こちらへ」
- Oh! mon Dieu, on dirait qu'il a été placé exprès là.
いや、とりあえず書き出しただけで満足ってことで。ダルタニャンの格言2(5-29)
「なあ、ポルトス、いつかきみに言ったろう、女と扉は、やさしくすれば思うようになるって」
君の口からこんな言葉が出るとは思わなかったよ…。ポルトスの友情(5-31)
「わたしとしては、猊下がこんどの事件を記念して、ご自分がお泊まりになったこの邸に栄誉を与えるため、わたしの領地を男爵領に昇格させて、もうひとつ、近く恩賞のお沙汰があるとき、わたしの友人の一人を叙勲すると約束していただきたい」
この友人というのが結局アトスだったことが(5-33)で明らかになるのですが、ポルトスが、何も欲しがらないアトスのために勲章を願い出るというその行動にびっくりしました。
でも考えてみたら、ポルトスらしい行動ではあるかな。ラウルにもこの時期から遺産を全て譲ると決めてたみたいだし。
ポルトス…いいヤツ。(しみじみ)ダルタニャンの友人評(5-31)
《たしかに、アトスは太っ腹で、小説の主人公みたいなところがある。ポルトスは人柄はよいが、だまされやすい。アラミスは謎のような人物で、いつも心の底を隠している。ぼくがここにいて、3人の仲を取り持ってやらなければ、なにをしでかすかわかったものじゃない……ことによったら枢機官を釈放するかも知れん。(略)》
ここはちょっと興味深いです。ダルタニャンが内心仲間たちをどう思っているかがはっきり記されております。
しかし友人たちを疑ってるとも取れる思考ですね。まあ、純粋に自分を含め仲間たちのことを思って、マザランを逃がしちゃいかんと思ってるわけですが。
確かに、アトスだったらマザランを釈放しかねないし、アトスの言うことならアラミスもポルトスも聞いちゃうだろうからなー。ダルタニャンの心配もわからんでもない。
そんなわけで、この後ダルタニャンは3人に、マザランを逃がすことのないよう釘を刺しに行くわけですが、この一人一人への対応がまた的を射てること。(アトスには一番効き目があった模様)
3人の扱い方を知り尽くしてるよね…。つくづく敵に回したくないタイプだ。(笑)無欲の勝利?(5-33)
…太后の感動にぴたりと調子をあわせ、自分自身の感動のおもむくままにふるまったダルタニャンは、最高の外交手腕を発揮したことになる。駆け引きが勝利をおさめたのか、その欲のなさが報われたのか、その機知を讃えるべきか、ダルタニャンを動かした理性の心情を賞賛するべきか、それは読者諸君の判断にお任せするとしよう。
どれでしょうね。てか全部と言いたいんじゃないの~?デュマさん。(笑)
余談ですが、この後ダルタニャン、太后からまたダイヤモンドもらってたんですね。忘れてた…。(←前回読んだ時気付いてなかった可能性も)叫びの価値(5-34)
「マザラン万歳!」と叫ばせるために千ルイもの大金を投じたのに、実際に聞こえて来る叫びはせいぜい20ピストールくらいのものだと判断したマザランも、不安げにポルトスのほうを眺めた。
そんなところにあの隠し財産を使ったのか、マザランめ…。(笑)黒幕(5-35)
ローシュフォールさんとマイヤールの引き連れた不自然な集団が国王たちの馬車に襲い掛かったわけですが、これ、陰で指示してたのって大司教補ですよね。
パリ条約で一人だけ恩恵に与れなかったから、むしゃくしゃして二人を呼びつけてたし。
結局二人とも命を落としてしまったのに、当の大司教補は、何事もなかったように国王たちをノートル・ダムでお出迎え…。
これってどうなんでしょうね?
せっかくダルタニャンが好印象持ってたのに。(アラミスにはめちゃ評判悪かったけど)ナネット小母さん?(5-35)
細かいことなんですが、フリッケが自分の母親を「ナネット小母さん」って呼ぶのはおかしくないですかね?
原文はmère Nanetteなので、普通に「ナネット母さん」でいいんじゃないのかなー。なぜわざわざ「よそのおばさん」に訳してるのか謎です。マイヤール(5-36)
今更ですが、マイヤールに関しても登場人物紹介欄で堂々とネタバレしてましたね…。ラウルの髪(5-36)
ダルタニャンがラウルのことを「あの金髪の少年」と言ってますね。
もともと褐色か黒い髪だったはずなんですが。
金髪だったのは今は亡きモードント君だよね。迷惑なほどに長くなってしまった…。