旨樫いさこさんより、以前山川慧さんが御紹介くださった「西洋貨幣史」(久光重平著 国書刊行会 1995年)についての情報をいただきました。
以下引用です。
・金貨については、新単位はルイであり、それは今や価値が3リーヴルから5リーヴルに上っていたエキュ金貨(量目3.35グラム。品位1000分中958.33)の外に10リーヴル相当として量目約6.69グラム、品位1000分中916.67で打たれる
・半ルイ金貨や2、4、8、10ルイ金貨を伴った(ルイ金貨は英国のギニア金貨の原型となった)
・ルイ14世が数年後にエキュ金貨と4分の1エキュ銀貨の鋳造を中断。
ルイ金貨がフランスにおける唯一の金貨となる。
・10リーヴル相当としてルイ13世当時発足したルイ金貨は、1709年にはその価値が2倍にまで上っていた。
今まで、まったく頭の中で整理ができてなかったんですが、ようやくわかってきました。
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貨幣(通貨)の単位・近世・近代ヨーロッパ当初のこのサイトに戻ってみるわけですが、旨樫さんのご指摘通り、1640年まで「ルイ」という単位自体がないんですよね。
ちょっとまとめてみました。
1577年~
・1エキュ(金貨)=3リーヴル
・1フラン=1リーヴル
・20ソル(スー)=1リーヴル ※スーという単位は1715年以降らしい
1640年~
・1エキュ(金貨)=5リーヴル (1647年になくなる)
・1ルイ(金貨)=10リーヴル
・1ピストール=10リーヴル
・1エキュ(銀貨)=5リーヴル
・20ソル(スー)=1リーヴル
ダル物第二部以降は1640年~の方で考えても差し支えなさそうですが、第一部の時点では、まだルイという単位は存在しないんですよね。
ただ、このあたりを厳密に守ろうとすると、鈴木力衛訳での注釈もおかしなことになってくるので、この際無視することにします。
もういいや、このサイトでは1ルイ=20フランで。(投げやり)
ちなみに、以上の情報をもとにもう一度ポンドの計算をしてみたところ、1ポンド=約13リーヴル(1640年ころ)となりました。
また、以前旨樫さんにいただいた情報で「1693年発行・ルイ14世の1ルイ金貨が、17シリング相当」というのがあったんですが、これで計算すると1ポンド=約11.76リーヴルとなりました。
それとは別に「1リーヴル=1シリング3ペンス(1653年)」という情報もいただいてますんで、それで計算すると1ポンド=16リーヴルになるそうです。
でも他にも、英訳で1ポンド=24リーヴルで換算されている部分があったりしているそうですし。
考えれば考えるほどわからなくなります。
年代によっても違うのでしょうけど、幅ありすぎ…。
このあたりも適当に(オイ)
換算ページにまとめてあります。