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EDの風車

アニャエトラ別館

三銃士サイト「アニャン氏とエトセトラ」の別館。サイトの裏話とか独り言とかマイブームとか。

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4巻25章のナゾ

これまた換算関係で旨樫さんからいただいた情報です。
ダル物4巻25章で、ダルタニャンが売りさばこうとしたわらの値段についてたどってみると、ひとつ1ピストール(10フラン)から、いきなりひとつ1ルイ(20フラン)に変わってる箇所があり、どうやら邦訳では、仏語版から4行抜けてる部分があったそうです。
これまた世紀の大発見!と言ってもいいのではないでしょうか。
以下抜粋。

二人は城のまえの広場に出た。ポルトスはダルタニャンが指でなにかしきりに勘定しているのを、あっけにとられて眺めていた。
「ひとつ一ピストールとして四百で四百ピストールになるわけか」
「そうさ、四百ピストールになるさ。だけどなにが四百ピストールになるのだ?」

 ここから、邦訳版で抜けていた部分。
 ----------
- Une pistole n'est pas assez, continua d'Artagnan ; cela vaut un louis.
「一ピストールじゃ足りない。一ルイの価値はある」

- Qu'est-ce qui vaut un louis ?
「何が一ルイするんだ?」

- Quatre cents, à un louis, font quatre cents louis.
「ひとつ一ルイとして四百で四百ルイになる」

- Quatre cents ? dit Porthos.
「四百?」ポルトスは言った。

 ----------
 ここまで。
「うん。みんなでざっと二百人。一人にすくなくともふたつは要る。一人にふたつずつとして、四百になる」
「それはそうだが、なにが四百になるんだ?」
「まあ聞けよ」
広場は、国王一行の到着を、目を丸くして出迎える人びとでいっぱいだったので、ダルタニャンはあたりをはばかるように、ポルトスになにごとか耳打ちした。
「なるほど、よくわかったよ。まったくの話、一人二百ルイは悪くないな。だけど、みんなぼくたちのことをなんと言うだろう?」


換算ページにも、このわらの値段をめぐるエピソードを詳しく調べなおしてアップしておきました。

ちなみに、4巻25章の邦題は「ダルタニャンとポルトス、わらを売って大儲けする」ですが、仏題では「ダルタニャンとポルトスがわらを売って219ルイと215ルイ儲けた方法」となってます。
このタイトル、ダルタニャンは219ルイですが、ポルトスは厳密には211ルイだという旨樫さんからのツッコミもいただきました。
旨樫さんにいただく情報には、とにかく感嘆の嵐です。
出てくる言葉はいつも「すげ~…」。

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