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「どうも三橋の決め球は カーブじゃなくてさすが河合君。監督より先に見抜いたよ!
あの変なストレートな気がする
始めは確かにカーブだったんだ 監督のカーブ狙いにも納得できた
でもそれは あの捕手の組み立てに ハメられてたからかもしれない
あの捕手 オレ達のことを調べ上げた上で
一試合通しての配球を考えてきてる
…一日の長か」(by河合)
「…ってまた コラ サインー!またしても、モモカンも、河合君さえも一目置く集中力を発揮する田島君。
…っつっても 私の読みははずれたしな
これは河合君が 自分のセオリー崩して
目の前の田島君に合わせて リードしてるってことだもんね
こうなると ベンチなんかより 打者の方が空気を読める!」(byモモカン)
「くっ そおお!!シンカーを捕らえることができなかった田島君。
今のはストライクだったのに これが高校野球のレベルなのか!
これでオレの打席 もう…」(by田島)
「オレかよ!」水谷君オンステージ。
「何だよレンレンて 家族内でもありえねェ!
つか あの女 誰だったんだろ 三橋の妹とか?
あんなトコまで入ってきちゃって 三橋のあんなトコ見ちゃって
ビックリしなかったかな
オレは ビックリしちゃったよ
三橋… あんな状態であと2回も投げんのか
ここまでがんばったんだもんな 最後までがんばりたいよな
オレもがんばりたいけど 田島が打てなかった球
どーがんばったら打てんだよー」
「田島は 4番用のストレートとシンカーを打てなかったんだ
2回にはいい当たりできたじゃないか
オレは 7番用のスライダーを …打てる!」(by水谷)
「オレ ちょっとカッコわりー落ち込む4番を励ますみんな。
逆転するっつったのにな 水谷にいいトコ持ってかれた」(by田島)
「み みんな と オ オ オレ で 抑えるから!
もう1点! もう1点 ない と… 逆転…
ゲンミツって…」(by三橋)
花井「おー! こっそり落ち込んでんなよ! まだ試合終わってねーぞ!」
栄口「9回に活躍しなよ!」
泉「もう1回 お前に回してやっから!」
田島「ホ ホントに!?」
「こいつ 何か考えながら振ってるなここらで考え始めるのも予想の範疇か。
河合は 今日まっすぐを2球打ち上げて
2回目はさすがに 腑に落ちねェって顔してたからな
そろそろ考え出すとこなんだ」(by阿部)
「ふぅ 最後はカーブか 性格悪いねェ河合君のお墨付きですよ、阿部君!
こっちがストレートに絞ったと見たら もう躊躇ねェの
まったく捕手向きなヤツだよ
でも 結果的に打ったから オレの勝ちだぜ!」(by河合)
「まっすぐに食いついてきてると思ったのに
まだカーブ狙いだったのか? クソ!」(by阿部)
阿部「てンめェ! 5点目やるつもりか! もう8回なんだぞ!!」いやー、阿部君の怒りっぷりに惚れ惚れするよ。(笑)
栄口「おーい! 何怒ってんの!?」
阿部「なんですぐ ボール寄こさなかった!」
栄口「え…三橋 指示 聞こえなかったとか?」
阿部「なわきゃあるか!!」
栄口「まーとにかく 手ェ放せ」
(身振り手振りの三橋)
田島「サードランナーが? 背が高くて… ああ! 阿部が吹っ飛ぶと思ったのか!」
阿部「この だあほっ!! 何年 野球やってんだ!! オレは怪我しねーっつっただろ! くだんねー心配で 試合をぶち壊すな!!」
栄口「阿部! 気持ちはわかるから…」
阿部「オレがホームっつったらホームだ! 二度と逆らうな!!」
(三橋 頷く)
阿部「わかりゃいんだよ 次で切るからな 気合入れなおせよ!」
田島「もう怒ってないってさ」
「よかった 阿部君は 怪我しない約束 忘れてなかったんだ!
逆らう気なんかないんだ 阿部君のリードがなきゃ
オレは 1つのアウトも取れないんだから」(by三橋)
巣山「できっぞ!」9回表、阿部君、泉君が出塁。
栄口「おお!!」
「今日はこれで4打席バントきっちり自分の役割を果たすことができた栄口君。
1回失敗してっから ここで上げたら成功率5割だ
5割じゃ バントの意味ねェ! 怖がンな!!」
「できた~~!」(by栄口)
「最終回のツーアウトになっても 集中は切れず――か」(by河合)我らが田島の打順ですよ!
「信じらんねェ 構えた時はたしかに普通に持ってたのに田島君はやったよ!!シンカー、ついに攻略しちゃったよ!!
振ったバットの遠心力で 右手指3本のとこまで
バットをずらして打った!」(by河合)
「クッソー」(by花井)1球目のシンカーに呑まれ、ストレートを見逃し、三振の花井君。
「また まっすぐ…ここにきてまっすぐを怖がる三橋君。
阿部君が まっすぐを後半まで隠しといたおかげで
まだまっすぐは打たれてない
でもそれは 意識しないで振ったからだ 今は意識してる
きっと もう つかまるよ!」
「サ サイン通りに投げてるのに
阿部君は ボールで オレの心を読めるんだ…!
阿部君は オレのまっすぐが どれだけ打たれてきたか知らない
振り向けば まっすぐのサインがくる 首は振れない
1番は2球まっすぐを見てた もう 打たれる!」(by三橋)
「そんなにまっすぐ怖がるなら
他の球だともっと怖いってこと 教えてやるよ」(by阿部)
「えっ シュートでいいの?」(by三橋)
「…のヤロー 顔に出すんじゃねェっつったのに!
三橋は 中学時代 まっすぐを打たれまくった
まっすぐの良さをいくら説明しても 体験で学んだ怖さを 言葉でぬぐうのは難しい
桐青に まっすぐメインの組み立てで勝って
あいつに まっすぐの威力を認めさせてやる!」(by阿部)
「三橋!! 投げらんねェなら替わってくれ!!シュートが打たれ、進塁。崩れたままの三橋君。
ここは三星学園じゃねェからな!
投げらんねェなら 沖にでも花井にでも マウンド譲れ!!」(by阿部)
「うん こんな場面で投げるのなんか イヤすぎだよ三橋君の姿に力をもらった仲間が、またここに一人。
もし立場逆なら オレは喜んで交代しちゃうね
だって 自信ないよ
あ…三橋も 自信ないのか しかも 超ビビリだ
けど 投げたがる あんなの投球中毒だ
そーゆーヤツの後ろは スゲーやる気出るけどな!」(by沖)
「怖い 投げたいしっかし阿部君て、毎回三橋君に対してどんだけ先を見据えた発想をするんですか。
怖い 降りたくない
怖い ここを誰にも譲りたくない!」(by三橋)
「よし 目が定まった
勝ってる試合で固くなるのは 欲の出てきた証拠だぜ
お前にとっちゃいい傾向なんだ
そのプレッシャー 受け入れろよ!」(by阿部)
栄口「さー来ーい! バッチこーい!」思わず三橋君に声をかけるみんな。
田島「おー! サード来いやー!」
巣山「ピッチャー打たせろ!」
沖「ワンナウトー!」
泉「水谷ー!! 捕ったら4つだぞ!」
水谷「おおー!」
花井「三橋ーー!! 後のことは任して お前の一番いい球投げろ! お前の投げる球なら 誰も文句ねェから!!」
一同「おおおーーっ!!」
「どういう意味だ? 花井君も 怒ってない? みんなも…?
もう球の勢いも 回転数も落ちて それでも投げてるイヤなヤツに…
何で 優しいこと言ってくれるんだ!?」(by三橋)
阿部「こいつ 今日 おかしくなかったか? 妙に飛ばしてるっつーか…」阿部君が心配する一方だった、三橋君の調子の良さ。
田島「そう おかしかった! なんか表情がくっきりしてて 声もでかかった!」
阿部「へえ…」
「やっぱ気のせいじゃなかったか
でも 今日の三橋のハイテンションがなきゃ 桐青はしのげなかっただろうな
ぶっ倒れて道理だぜ」(by阿部)
「野球はやめなかった今回のテーマはこれ。
けど オレ 全然中学と変わってない
投げらんないなら替われって言われても マウンド降りらんなかった」(by三橋)
「阿部ってすぐ怒るよなー」(by田島)その通りです。(笑)
阿部「あのさー お前らクラスで何話してる?」そして、もう一つのテーマがこれ。
泉「はぁ?」
阿部「休み時間とか…」
田島「はーい はーいっ 休み時間は早弁してる! 昼は残った弁当食ってー もうなくなってるときは悲しくなる…」
阿部「泉は? 三橋と何話してんの?」
泉「田島と同じ」
阿部「ああ…」
泉「食いモンねー時は寝てるしな お前らだってそーだろ?」
阿部「うーん そーだな だいたいはなー」
「三橋も明日っから いろんな人にほめてもらえて
ちょっとは自信持つかもな
…イヤ いつも通りキモくビクつくだけか?
あれ 無性に腹立つよな 田島とかとは普通にしゃべんのに
そういやオレにメール返して来ねェしよー
アレ? ひょっとしてオレ… 嫌われてる…?
いやいや 三橋はよくわかんねェ!」(by阿部)
「阿部隆也」(byメール)そのスカした声で名前言う!?(大ウケ)
「昨日の試合のことで 話がある」(by阿部メール)もんのすごい被害妄想だなァ。
「マウンド降りなかったことだ
替われって言われたのに替わらないで
沖君にも花井君にも オレ…」(by三橋)
「昼に オレと花井も行く」(by阿部メール)
「主将もつれて オレを怒りにくるのか」(by三橋)
「阿部は えばってるな」(by泉)何か今回みんな客観的に阿部君を分析してるな。(笑)
「50キロ!?バックに雷しょったまま止まるなヨ!
てンめえ 3キロも減ってんじゃねーか!!」
(…はっ こうやってどなるからオレ …嫌われ…て…)(by阿部)
(イヤ ふつーに話そう こいつが好きなのは 食いもんの話…)お互い嫌われたくない者同士なのに、何でこんなにかみ合わないのかねえ。
「オイ 昨日は何食った?」(by阿部)
(…いつもは聞かれないことを聞かれる…
何か原因があるぞー
きっと 食べちゃいけないものを食べたんだ!)
「ゴメンナサイ…」(by三橋)
「はああ!?」(by阿部)
「オレは今まで 後ろ守ったどの投手にも 尊敬みたいなもんは感じてたし花井君の心境。これがまた興味深い。
バックが投手に声かけんのなんて あったり前なのに
三橋はイチイチ 特別なことみたいにビックリして
なんつーか そういうのが すごく ムカツク
その他にも イロイロ細かくムカツク! 小さくなって食ってんのとか!
阿部がキレなきゃ オレがキレてた場面はいっぱいあった!
中学で会ってたら オレァ間違いなくイジメ側に入ってたな!
よかった 出会いが高校で!」(by花井)
泉「昨日の試合だったら こんなのふつーだぞ だれも特別いい人なわけでもねーっての な」結局、阿部君の「マウンド譲れ!」発言が嘘だと分かった三橋君。
花井「おお そう オレたちはふつーだよ ふつーに野球やってるだけ!」
「…こんなに嬉しいのが ふつうなのか…」(by三橋)
「なんだよ 修ちゃんて!!叶君に始まり、叶君に終わる。
名前呼び…! ガキん頃に戻ったみてェ!
次もがんばれよ 廉!」(by叶)